よくあるシーン
同窓会をしていると、こういう会話ってよくありませんか?
ねぇねぇ、山田って金融機関で働いてたよな。投資ってしてる?投資を始めようか迷っているんだよね。
証券会社で働いているよ。俺は投資している。投資はした方がいいと俺は思うよ。
投資なんて、○○○でしょ。俺はやらないな。
ここで佐藤さんは、投資を否定しています。このやり取りについて、あなたは経験したことはありませんか?私はよくこういったシーンに出くわします。今回の記事では、佐藤さんの発言の○○○の部分について記載します。
私は、投資はすべき派ですので、○○○の部分を否定する記載になります。ご容赦ください。
日本でも投資は当たり前になりつつあります。2022年度から高校生の教育課程に金融教育が加わりました。
「投資なんて」と投資を否定していると、周囲から「えっ?」と思われてしまうかもしれません。そうならないように今回の記事を書きました!
投資なんて、ギャンブルでしょ。
投資と聞くと、「株」や「FX」を思い浮かべる人が多いと思います。毎日値段が動くので「大勝した!」「大負けした!」という話を聞いて、投資=ギャンブルと思っている人もいるようです。
金融教育の世界では、お金を増やす行動について以下のような定義があります。
分類 | 行動内容 | 意味 |
投資 | 株の購入/長期保有、投資信託の積立 | プラスサム |
投機 | FX、短期の株の売買 | ゼロサム |
ギャンブル | 競馬、パチンコ | マイナスサム |
「投資」「投機」「ギャンブル」の3つの分類があります。それぞれ説明していきます。
ギャンブル
運の要素が強いものにお金を賭けることです。プレイヤーの中には、勝つ人もいれば負ける人もいますが、全てのプレイヤーの収支を足し合わせても、必ずマイナスになります。これをマイナスサムと言います。これはギャンブルを運営する胴元が利益を取った上で、残りをプレイヤーで奪いあうためです。
投機
短期間の変動の差益だけをねらって行う売買取引を指します。プレイヤーの中には、勝つ人もいれば負ける人もいますが、全てのプレイヤーの収支を足し合わせた場合、必ず0になります。これをゼロサムと言います。
※概念的な話であるため手数料等は考慮しません。
投資
投資は、企業や国などの成長にお金を投じる行為です。成長によって生み出された利益をみんなで分け合うイメージです。もちろん、投資した会社が潰れたり、株価が下がることもありますが、企業や国は成長し続けているので、全ての人の投資を足し合わせれば、必ずプラスになります。これをプラスサムと言います。
★企業や国の成長については、別記事で詳細を記載します。
まとめ
投資/投機/ギャンブルの違いを説明しました。金融教育の世界では「投資≠ギャンブル」です。「投資=株、株=ギャンブル」という考えは、世の中の当たり前ではないということを覚えておくといいかもしれませんね。
投資=ギャンブルと思っている方には、上記の違いを理解してもらい、投資に興味を持っていただければ幸いです。
投資なんて、プロしか勝てないんでしょ。
「○万円で買った株が数十倍の値段で売れた。」と言う話を聞くことがあるかもしれませんが、こんなことはそう起きるものではありません。そして、こう言った話をするときに必ず出てくるのが「お金持ちやプロの投資家は、上場前の株を購入することができる。一般人はそういう上場前の株を買えない。だから、金持ちやプロしか勝たないよ。」です。未上場株を買えるのはお金持ちやプロの投資家(機関投資家など)と言うのは間違えではありませんが、未上場株の価値が0になることはよくあります。うまくいって上場すれば大きなリターンを得られますが、その分もリスクも大きいです。
そもそも「勝つ」とはどういう状態でしょうか?ほとんどの人にとっては、「買った時よりも値段が上がっている」ではないでしょうか。
以下は、トヨタ自動車の直近30年間の株価です。
2022年のところで株価が最高値を付けています。このタイミングで買った人は、高値掴みをしている状態なので負けていると言えますが、それ以外の時に買った人は、自分が買った時の株価よりも高い時期があります。その時に売却していれば勝ったことになります。
トヨタのような大きな会社であれば、1日に数百億円の売買がされます。個人投資家の数十万円程度の取引は、誤差のようなもので、どのタイミングで買おうが株価には影響はありません。個人投資家だけが負けて、プロのみが勝つという世界はありえないと言えます。
★別記事にて、「投資における勝ち」について説明予定です。
投資なんて、まとまったお金がないとできないでしょ。
この発言をする人も結構多いと思います。こういった人たちは、投資を始めるのにいくらかかると思っているのでしょうか?ちょっと詳しく見てみたいと思います。
通常、株を買うときは100株単位での購入になります。2023/7/22の株価だと以下です。
企業 | 株価(/1株) | 100株の金額 |
トヨタ自動車 | 2,287.5円 | 約23万円 |
ソフトバンクグループ | 6,946円 | 約70万円 |
住友商事 | 2,968.5円 | 約30万円 |
九州電力 | 902.1円 | 約9万円 |
確かに、数十万円が必要です。大きな金額ですね。しかし、九州電力のように10万円以下で買えるものもあります。また、そもそも株は「単元未満株」と言って、1株から購入可能です。そうなると、ソフトバンクグループの株は1株で7,000円程度で買うことができます。1万円未満でも株を買うことができます。
また、政府は投資信託の積立投資を進めています。毎月同じ日に小さい金額での購入を推奨しています。この場合、毎月「数千円~数万円」での購入となります。数千円なら出せそうですね。
毎月の給料から生活費を差し引いた金額で数千円も余剰がないと言う人もいるかもしれません。その場合は、支出を見直したり、職場を変えるなど収入を増やす方法を検討した方がいいもしれません。
まとめ
今回の記事では、投資を始めない言い訳を3つ紹介しました。金融教育を受けていない大人世代にとって、投資は馴染みがないものです。「よくわからないので勉強して調べる必要がある。」と思うと、勉強したくないので投資自体をネガティブに捉えがちです。ちょっとだけ勉強して、自分ができる範囲で投資を始めてみるのはどうでしょうか?
コメント