この記事では、外国債券の利金や償還金が入ってきたときに、自動的に外貨建MMFを購入する手順を紹介します。
なぜ、外貨建MMFを購入する必要があるのか？
外国債券の利金・償還金は、円や外貨でもらうことが可能です。
・円でもらった場合
→為替手数料がかかる。証券会社の為替手数料は非常に高いのでおすすめしません。
・外貨でもらった場合
→外貨で受け取ること自体は問題ありません。手数料なども取られません。しかし、証券口座に外貨をそのまま置いておいても金利がつきません。この内容については、以下の記事で詳しく書いていますので、ご覧ください。
そのため、外貨を使って外貨建MMFを購入するのがよいとされています。証券会社もそれがわかっているので、「じゃあ、外貨で利金・償還金を受け取ったら、自動的に外貨建MMFを買うようにしますね。」と言う設定を用意しています。
自動的に外貨建MMFを購入するメリットは？
①利金・償還金が入ってくるタイミングを確認しなくてよい。
証券口座を毎日見ている人もいると思いますが、多くの人はたまに見る程度だと思います。そうなると、「１か月前に外債の利金が入っていた。ずっと、外貨で放置していたよ。外貨建MMFだったら１か月分の分配金がもらえたのに・・・」と言うことが起こってしまいます。都度、確認しなくてよいのがメリットです。
②最短で外貨建MMFを購入することができる。つまり、分配金を最大限に受け取ることができる。
当たりまえですが、外貨建MMFで保有する日数が多ければ多いほど、たくさん分配金を受け取れます。そうすると、利金・償還金が発生して、すぐに外貨を外貨建MMFに換えることが最も投資効率を高めることができます。
③(超マニアックな話)外貨→外貨建MMFの税金計算をしなくてよい。
これは意識する必要がない内容ですが、念のため記載します。例を書いた方が早いので先に例を書きます。
2023/8/31に外債の償還金100ドルを外貨で受け取る。この時の為替レートが$1=130円。
2023/9/30に外貨(100ドル)を使って、外貨建MMFを購入する。この時の為替レートが$1=150円。
上記の場合、100ドルの外貨を使って、100ドル分の外貨建MMFを購入しているので、投資家目線では価値は変わりません。しかし、税の観点で行けば、外貨が入って来てから、出ていくまでの間に20円 円安になっているので、その分利益が出たと言うことになります。１か月の(150円-130円)×100ドル=2,000円を雑所得として申告する必要があります。自動的に買付られるのであれば、理論上は為替レートは同一になるので、税金計算は不要です。
正直、このレベルで申告するのは非常に難しいので、気にしなくていいレベルです。あるべき論では、税金計算が必要と言う話です。
手順を紹介
証券会社ごとで手順が異なるので、以下の２つの証券会社について設定方法を記載します。
SBI証券
「口座管理 ＞ 口座(外貨建) ＞ 外貨建債券利金償還金受取方法指定」を選択します。
上図のように、通貨ごと利金・償還金ごとに選択可能です。SBI証券では、外貨建MMFを選択できる通貨は「米ドル」、「トルコリラ」「南アフリカランド」です。米ドルは4銘柄ありますが、正直どれを選んでも問題ありません。
野村證券
野村證券はオンライン画面上では変更することができません。電話で依頼する必要があります。
超重要
野村證券の場合、電話で依頼しない場合は、利金・償還金は円で支払われます。野村證券の為替手数料は非常に高いので、円では絶対にもらわないようにしましょう。円でもらうと、もはや債券で出た利益がほとんどなくなります。
豆知識（マニアックな内容ですが、ちょっと重要）
利金・償還金は円で受け取らず、外貨でもらってすぐに外貨建MMFを購入する設定をしましょうと記載しました。
償還金が入ってきたときの税金はどうなるのか？について書きます。特定口座の源泉徴収有であった場合、債券が償還するタイミングで利益が発生します。この利益は、「債券購入時の債券価格×その時の為替レート」と「償還時の額面×その時の為替レート」で計算され、利益が出ている場合は税金を払う必要があります。税金は自動的に証券会社に徴収されるのですが、それは円口座からとなります。もし円口座に円が入っていない場合は、償還金として入ってきた外貨の一部を証券会社が自動的に円に換えて徴収します。このとき、もちろん為替手数料がとられます。
★結論★
円口座にいくらかの円を入れておきましょう！
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